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書籍『単勝二頭流』担当編集者（以下、編）　石橋さん、すみません。かなり忙しいんですよね。

石橋 武（以下、石）　いえいえ、こちらこそ遅くなっちゃいまして、申し訳ない。そうなんだよね。中山改修のおかげでホント忙しくなっちゃって。

編　工事業者かなにかですか？

石　違うわ（笑）！　今回の改修では路盤工事もしたでしょ？

編　ええ。なんか水はけを良くするとか。

石　となると、当然ながら、馬場のクッション性とかそういうことも変わってくるわけ。

編　ですよね。でもそれと忙しさになんの関係があるんです？

石　中山芝コースの馬場がどんなふうに変わっているのか、事前に知っておかないと予想できないでしょ。

編　いやいや、無理でしょ。実際に明日、馬が走ってみないことには。

石　そりゃ、今の段階で100％把握できるとは思ってないよ。ただ、今までの他の競馬場の工事直後の馬場とか、開催の間隔があいた週のデータとか、そういうのである程度は予測できる。重賞（ステイヤーズＳ）がなければ、阪神、中京のレースだけを配信するという手もあったけどね。

編　まあ、重賞はみんな気になりますもんね。僕も石橋さんの予想を知りたいし。

石　でしょ？　だから少しでもリスクを減らすためにできることはやっておかないとね。まあ、でも施行されるのがステイヤーズＳで良かったけどね。

編　なんでですか？

石　これがスピード勝負のスプリント戦なんかだったらさすがに、無理だったな〜と思って。

編　ああ、そうか。馬場の影響は大きいですもんね。

石　そうね。というわけで、あんまり時間もないことだし、そろそろ始めましょうかね。

編　賛成〜！　どのレースを取り上げます？

石　金鯱賞にしよう。

編　お、いいですね〜。金鯱賞ってどういう馬に目をつけておけばいいんですか？

石　一言で言うならズブい馬。

編　ズブい馬……。

石　金鯱賞は言うまでもなく中京芝2000mで行われるレースなんだけど、この中京の芝コース、特に最後の直線って、ものすごくタフなのよ。なにしろ、直線は京都の外回コースより長くて、しかも中山並みの急坂もあるからね。

編　そうなんですね。

石　となると、瞬発力云々よりも、いかにバテずに伸びてこられるかという勝負になるんだよね。だからむしろシュッと反応できるタイプより、エンジンのかかりは遅いくらいの馬のほうがいいんだ。

編　そういうことか〜。

石　それに加えて、ちょっと長めの距離適性を持ってる馬ならなおいいね。これだけのタフなコースだけあって、2000mという字面以上にスタミナを要するからね。

編　あ、なるほど。しかし、こうやって聞くとどういうレースになるのかが、イメージしやすいですね。

石　そうそう。それが大切なんだ。どんなレースでもそういうイメージを持てるようになると、的中へ繋がるからね。

編　それはそうなんでしょうけど、そういうのは石橋さんにお任せします（笑）。で、今回の金鯱賞はどの穴馬に注目しておけばいいですか？

石　結局そうやって結論ばかり欲しがる……。上達しないぞ。

編　いいんです、石橋さんにおんぶに抱っこで。

石　プライドゼロか（笑）。

編　で、注目穴馬は〜？

石　わかったよ。オーシャンブルー、ニューダイナスティ、そしてクランモンタナに注目しておこうか。

編　あ、たしかにさっきのイメージにぴったりですね。切れないタイプというか、ダラダラとずっと伸びてくる感じで。

石　言葉が悪いわ（笑）。まあでもその通りなんだけど。現時点ではこの３頭に注目しておこうかな。

編　わかりました。ではのちほど印が決まり次第、プレミアムコラム用に送って下さいね。

石　了解。しばしお待ちを。

※プレミアムコラム『二頭流一鞍道場』では、金鯱賞の最終の印をすべて公開しております。是非、ご期待下さい。