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POG特別インタビュー②「ノーザンファーム産の評判馬5頭」

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投稿日:2016/5/17

Vstyle編集部(以下、編) 続いてのテーマは「ノーザンファーム産の評判馬」です。ノーザンファーム産の馬は毎年クラシック戦線で猛威を振るっており、昨年のダービーにはなんと9頭が出走し、ドゥラメンテが2冠を達成しました。今年も当然、マークしないわけにはいきません。今回は評判馬のなかから5頭をピックアップし、白川さんにジャッジしていただきます。1頭目は母マジックストーム(父ディープインパクト、牝、馬名フローレスマジック)です。


白川(以下、白) ラキシス、サトノアラジンの下という良血馬ですが、いくつも気になる点があるんですよね。


編 具体的に言いますと?


白 まずは母馬の出産時の年齢です。15歳という高齢時の産駒という点が心配。14歳時の兄サトノケンシロウはPOG期間中に結果を出せませんでしたからね。立ち気味のつなぎをしているので、距離はマイルまでかなという印象。ラキシスではなくサトノアラジンに近いタイプかもしれません。サンデーレーシングの募集価格が6000万円というのも微妙ですよね。この血統ならもっと高い設定にしてもいいと思うんですよ。


編 なんだか嫌な予感がしますね~。


白 そうなんですよ。強調材料に乏しいことは間違いありません。ドラフトでは確実に人気になるので、思い切ってリストから外す作戦も十分にアリでしょう。


編 なるほど。競合を避けて別の馬で勝負するのもいいかもしれませんね。では、続いて母シューマ(父ディープインパクト、牡、ヘリファルテ)の評価をお願いします。


白 適度な長さと角度を持ったつなぎで、馬体に大きな欠点は見当たりません。母はアイルランドの馬なんですが、母系にデインヒルを抱えているので、ディープインパクト産駒としては良い配合と言えます。あとは初仔という点をどうジャッジするかですね。


編 可もなく不可もなく、という感じでしょうか?


白 何か飛び抜けて良い部分があるかと言われると、とくに強調材料は出てこないんですが、逆に欠点も少ない。要は優等生タイプです。募集価格が1億2000万と強気な設定なのがなんとも不気味。リスク覚悟で大勝負に出るのではなく、堅実に結果を出すことを求めるのであれば、指名してもいいと思います。


編 わかりました。今度は母キングローズ(父ディープインパクト、牡、馬名サトノアーサー)にいってみましょう。


白 ニュージーランドやオーストラリアで活躍した母の初仔になります。血統表からは、ディープインパクトに有効なダートっぽさが足りないという印象を受けますね。


編 馬体面はいかがでしょう?


白 胴が長めなので、距離は長いほうが良さそうですが、ダートの血が足りないぶん、そもそものスピードに欠ける可能性があります。スピードに問題がなければ、東京の2400mには向きそうなんですけどね。なにぶん初仔なので、想像をふくらませるしかありません。私は三振かホームランかのタイプとみています。


編 この馬も指名順位が鍵を握りそうな1頭ということに……。


白 そうなるでしょうね。


編 了解しました。では、今度は4頭目となる母ブエナビスタ(父キングカメハメハ、牝、馬名コロナシオン)をジャッジしてください。


白 いよいよブエナビスタの初仔の登場ですね。キンカメ×スペシャルウィークは、クラリティシチー、タガノグランパ、リオンディーズと同じ配合ですが、活躍馬と言えるのはこれくらいで、大成功を収めているわけではありません。だから、過剰に評価しないほうがいいと思います。若干立ち気味なつなぎも判断に迷うところですね。キンカメもスペシャルウィークもダートでも強い血統ですので、芝・ダート兼用という可能性もあります。


編 ぶっちゃけ、取捨のほうは……。


白 走られてもおかしくない。でも、期待が大きいだけにハードルは高い。上位指名でないと取れない1頭ですので、本当に悩ましい存在です。馬体を見る限り、欠点と言えるのはつなぎの部分だけ。正直、どっちに転ぶかはまったく見当がつかないので、好みや勘で取捨を決めてもいいかもしれませんね。


編 わかりました。これは皆さん各々の判断で指名順位を決めるしかなさそうです。では、今回のテーマ「ノーザンファーム産の評判馬」のラスト1頭、母グルヴェイグ(父キングカメハメハ、牡、馬名ヴァナヘイム)をお願いします。


白 マーメイドS勝ち馬の産駒で、ディープ×キンカメという王道の金子血統。近親にドゥラメンテやルーラーシップがいますので、血統面では非の打ち所がありません。母系にトニービンを抱えるディープ産駒は、トニービンの血が薄いほうが活躍する傾向にあるんですよ。この馬はキンカメ×ディープという逆パターンですので、トニービンの血がさらに薄くなります。配合も完璧です。


編 馬体面の特徴は?


白 胴が詰まっていて、つなぎは立ち気味。小回りコースのほうが向きそうで、マイラーの印象を受けますが、角居厩舎の馬は鍛えられながら馬体が変わってきますからね。POG期間中に成長が間に合うようであれば、大きな結果を残してくれるかもしれません。初仔のリスクを背負ってでも、指名する価値はあるでしょう。


編 ありがとうございます。今度はテーマを変えましょう……(※次回は「ノーザンファーム産以外の評判馬」5頭の評価をお伝えします)。



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